世界で1.4億人が気候変動の危機とコロナ大流行の両方に見舞われる:国際赤十字赤新月社レポート

9月17日に発表された国際赤十字赤新月社連盟(IFRC)の報告によると、コロナのパンデミックの間、約1億4000万人(ロシアのほぼ全人口に相当)が洪水、干ばつ、暴風雨、山火事の影響を受けました。さらに65歳以上または5歳未満の6億6000万人が熱波に見舞われました。これは米国の人口の約2倍に相当します。

気候変動とコロナの感染拡大の危機という組み合わせが、「前例のない」人道的ニーズを生み出すと同時に、その救援活動を妨げていると述べています。

なお、コロナの世界大流行以来、データーが入手可能な中で最も致命的な気象現象は、2020年のヨーロッパ西部で熱波であり、ベルギー、フランス、ドイツ、オランダ、スイス、英国で11,000人以上が死亡しました。熱波は、最も致命的な上位3つの現象のうちの2つを構成し、今日発生するすべての熱波は、気候変動によって より起こりやすくなっている/より強度が増していることが分かっています。

気候変動のイベントアトリビューション分析 によって、多くの特定の現象が地球温暖化によって、より強く、より長く、またはより可能性が高くなっていることが分かるようになっています。例えば、太平洋北西部の2021年の熱波などは、気候変動のない世界では「事実上不可能」だった ことが分かっています。

気候変動は、すでにある地域の脆弱性と脅威を増幅しますが、特にコロナのパンデミックによってすでに脆弱になっている人々に打撃を与えています。たとえば、シリアとイラク では、進行中の干ばつにより水力発電ダムが枯渇し、水と電力供給の両方が打撃を受けているため、公衆衛生と医療に影響を与えています。ホンジュラス と南アジア では暴風雨の間、救援活動は、ソーシャルディスタンスを維持できるように、避難する人々のために追加の公共シェルターを探さなくてはなりませんでした。米国 や欧州での山火事からの煙は人々の肺を刺激し、コロナ感染症の感染拡大と死亡の増加につながりました。

IFRCは、世界の地域コミュニティは気候変動に適応するためにより多くの支援を必要としており、気候変動とコロナのパンデミックに同時に取り組むことで、より経済的に柔軟な回復につながると述べています。

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IFRCによる英語のプレスリリースはこちら