IPCCが最新の報告書を公表:人間活動の気候変動への影響は「疑う余地がない」

2021年8月9日、IPCCは、「Climate Change 2021: the Physical Science Basis(気候変動2021:自然科学的根拠)」と題した、第6次評価報告書(AR6)の第1作業部会(WG1)報告書を公表しました。

195か国の政府が支持するIPCCの最新報告書は、人間の活動が地球温暖化に責任があることは疑いの余地はないこと、人間の活動が地球を恒久的に変化した状態にさせていることを示しています。

今、世界各地で起きている極端現象やその結果の山火事や洪水は、人間が気候システムをいかに変えているかを示すシグナルであり、もはや「おかしな天気」ではなく、私たちは「1.2度の温暖化の世界を生きている」とも言えます。

今回IPCCによって分析されたどの経路も、いったん閾値を超え(オーバーシュートをして)今世紀の終わりまでに再び気温を下げることなくして、気温上昇を1.5度に抑えるような選択肢はないことを示しています。

これは、政府や意思決定者がパリ協定の目標を達成するためには、「IPCCの1.5度特別レポート」で示された経路(2030年までに世界で排出量を半減する)よりも、さらに速く対策を取る必要があることを意味しているといえます。

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報告書と関連資料はこちら(IPCCサイト)
公表当日の記者会見はこちら(IPCC動画)
環境省による発表はこちら(環境省サイト)